
医薬品業界が直面している課題とは?
そして、それらの課題を解決に導くITの力とはどのようなものでしょうか?
ますます広がる「医薬品業界×IT」の可能性を探ります。


THEME.01
世界には約7,000種類の希少疾患が存在するとされていますが、そのうち約95%には有効な治療法がなく、依然として極めて高い医療ニーズが存在しています。こうしたニーズに応えるべく、近年では低分子医薬品や抗体医薬品など、創薬モダリティ(※1)の多様化が進展。新しいモダリティによる医薬品は、従来治療が困難だった疾患に対して革命を起こす可能性を秘めています。一方で、安全性や有効性の確立、製造プロセスの複雑さ、高コストなどの要因により、医薬品開発の難易度と不確実性はますます高まっており、医薬品業界に新たな課題をもたらしています。
※1 創薬モダリティ:医薬品を開発するための基盤技術の方法や手段、もしくはそれに基づく医薬品の分類のこと。
SOLUTION.01
多様なモダリティのなかから革新的な医薬品をいち早く患者さんに届けるためには、品質を担保する研究開発・生産・保管方法、販売物流など、各プロセスで新しいレギュレーションを策定する必要があります。しかし、これだけ幅広いプロセスにおけるレギュレーションのコントロールは非常に困難であり、ITによる支援によって初めて、業務の効率化と品質保証を両立させることが可能となります。


THEME.02
日本の医薬品業界では近年、海外市場への対応やグローバル競争力の確保などが大きな課題となっています。そうした課題に対して、各製薬企業は、「世界共通の研究基盤の構築」「世界規模での臨床開発推進」「海外企業とのパートナーシップ構築」などを通じ、自社で創出した医薬品を広く世界に届けるための取り組みを加速。それにともない、グローバル共通の経営マネジメントやオペレーション体制の確立、また、国際的なデータ連携の適切かつ効率的な実行が急務となっています。しかし、医薬品業界の多くの企業でその取り組みに苦慮しているのが現状です。
SOLUTION.02
グローバル共通の経営・業務基盤を確立するには、研究開発・生産・品質管理・販売などすべてのバリューチェーン(※2)をグローバルで一体的に統合する必要があります。しかし、そのためには国ごとに異なる審査・規制・データ形式など数々の課題をクリアしなければなりません。そこで、さまざまなデータを最適な形で統合管理できるITソリューションの導入が不可欠になっています。
※2 バリューチェーン:価値連鎖のこと。企業における各事業活動を価値創造のための一連の流れとして捉える考え方。


THEME.03
これまでは、「患者さんに薬を届ける」ことが医薬品業界の中心的な役割とされてきました。しかし近年では、「健康管理を目的とした活動全般=ヘルスケア領域全体に貢献する」ことも求められるなど、医薬品業界が担う範囲が広がる傾向に。その背景には、社会課題ともなっている高齢化・慢性疾患の増加にともない、「発症前の管理・予防」や「患者さんの生活の質・服薬継続率の向上」などが急務になっていることが挙げられます。そのようななか医薬品業界はいま、健康維持や病気予防に資するデータやサービスの提供など、新たなテーマに直面しています。
SOLUTION.03
まず医薬品開発から生産、販売、そして医療機関・介護現場・患者さんの服用データまで、あらゆるヘルスケア情報をシームレスにつなぐ必要があり、その新たなデータ連携にはセキュリティ面も考慮した、高度なITの力が不可欠です。そして、こうして構築されるヘルスケア・プラットフォームにより、治療効果の追跡、新しい医薬品や治療法の創出など、医薬品の質をさらに高める取り組みが可能となります。


ITがもたらす進化――それこそが、
医薬品業界のさまざまな課題解決の突破口に。