病気に罹ったかなとなった場合、軽微な風邪といった症状を除いて、医療機関を受診して治療を受けることになります。治療を受けるためには病気の診断が必要です。
今回は病気と治療について俯瞰してみましょう。
病気(疾病・疾患)は生体機能を維持する仕組みに異常が発生している状態です。多くは何らかの症状を示しますが、病気によっては自覚症状がなく健康診断等で指摘された検査値異常によって病気が疑われる場合もあります。
治療を受けるためには、受診して、どういう病気に罹っているのか診断を受けることが必要になります。その診断を確定させるために必要な検査が行われます。
診断が確定したら、治療方針を決定して治療に進みます。治療方針の決定には、対象疾患に加えて、重症度、合併症、年齢、アレルギー等の患者背景が考慮されます。
治療後も再発予防のための観察やケア、完治に至らない場合の緩和ケア等、必要なケアが行われます。現状可能な治療では治療効果が見込めない場合には、少しでも患者さんの生活の質(QoL:Quality of Life)が良くなるようにケアが行われることになります。
症状(症候)というのは、患者さんが示す心身に関する訴えや、患者を観察したときに認められる異常な身体所見のことです。症状の背景には、それを引き起こす病気が存在します。
病気によっては複数の特徴的な症状を示し、症状の組合せ・パターンによってある程度原因となる病気を推測することが可能です。一方で、同様の症状でも原因が異なることもあり、症状だけから疾患を特定するのが難しいことも多々あります。
症状の強度や新たな症状の発現等は、病気の程度や時間的経過で変化するものです。
症状は病気を推測するための有用な情報であり、また病気の進行や治療効果の指標にもなります。
主な身体症状を領域別に挙げてみると以下のようになります。
受診した患者さんに対して、医師はまずは問診によって症状や病歴等の確認を行い、視診・触診・聴診、バイタルサインの測定によって状態を把握することにより、疾患の推測、重症度・緊急度の推定を行います。疾患候補の領域に応じた検査を行い、検査結果を踏まえて総合的に診断を確定します。
主な検査としては、以下のようなものがあります。
主な治療としては、外科的治療、薬物治療、非薬物療法、放射線治療、更に後遺症などに対するリハビリテーションが挙げられます。
病気に罹患しないに越したことはありませんが、具合が悪ければ、素人判断でなく、きちんと受診して治療を受けることが肝要です。
私たちの健康に大きな役割を担う医薬品、そして医療・ヘルスケア。
そうしたQOL(Quality Of Life)産業界全般にわたって、そのプロセスや情報を支えるITを介して、日立医薬情報ソリューションズは人々の健康・QOL向上に貢献していきます。
2021年05月14日
吉田 亜登美